医療保険を考えるとき、基準となるのが「入院日額◯千円」という金額。
5,000円?
10,000円?
それとももっと必要?
多いほうが安心に越したことはありませんが、ここもきちんと必要額を計算しましょう。
この記事では、
- 医療保険の主契約とは何か
- 入院日額はいくらにするのが現実的か
- 入院日額の決め方と考え方(公的制度との関係)
を順番に解説していきます。
医療保険の主契約とは何か
多くの医療保険は、「主契約」+「特約」という構造になっています。
土台になるのが主契約で、そこに必要な特約を足していき、一つの保険となります。
医療保険の場合、主契約の中心は
- 入院給付金(入院日額)
- 手術給付金
で、入院したときに、1日いくら受け取れるか?
という入院給付金が基本となります。
よく見る「入院日額5,000円」「日額10,000円」というのは、ここを指しています。
手術給付金は、所定の手術を受けた場合にまとまった金額が支払われるものです。
多くの商品では、手術の種類に応じて入院日額の○倍という形で設定されています。
そのため、保障額を考える際には、まず基準となる入院給付金の金額を整理することが大切です。
まずはこの主契約の考え方を整理することが、医療保険全体を理解する第一歩になります。
入院日額はいくらにするのが現実的か
では本題です。
入院日額はいくらにすればいいのでしょうか。
ポイントは、
「不安な金額」ではなく「実際にかかる自己負担」を基準に考えること。
医療費そのものはどれくらい?
こちらの記事でも詳しく説明していますが、
日本には公的医療保険制度があり、医療費の自己負担は原則3割です。
👉 【高額療養費制度の基本】医療費の自己負担はどこまで抑えられる?
さらに、高額療養費制度があり、1か月の自己負担額には上限があります。
年収にもよりますが、一般的な会社員の場合、
月の自己負担はおおよそ8〜9万円前後が目安です。
つまり、「何十万円も自己負担になる」というケースは、
この制度により抑えられているのです。
では、入院日額は何のため?
入院日額の役割は、
- 医療費の自己負担分
- 食事代や差額ベッド代(特別療養環境室料)
- 交通費や雑費
- 収入減少の補填
こうした医療費以外も含めた負担をカバーすること。
ここをどう考えるかが、金額設定のポイントになります。
現実的な目安は?
たとえば、入院が1ヶ月(30日)続いた場合、受け取る保険金の額は
日額5,000円 → 約15万円
日額10,000円 → 約30万円
になります。
高額療養費制度で医療費の上限が抑えられていることを考えると、
多くの家庭では、
日額5,000円〜10,000円程度で足りるケースが多い
と言えます。
ただし、
- 自営業で収入が止まりやすい
- 貯蓄が少ない
- 個室利用を想定している
こうした場合は、少し厚めにする考え方もあります。
大事なのは、
「平均はいくら?」ではなく、自分の家計で足りるかどうかです。
差額ベッド代とは?
入院費の自己負担で高額になりやすいのが、差額ベッド代です。
これも一律いくらとは決まってないので、
ご自身の入院を想定した場合の近くの病院の金額を調べておくと安心です。
差額ベッド代は、患者が希望して個室を利用する場合に発生する費用です。
相部屋を希望していたにもかかわらず空きがなく個室になった場合や、治療上の理由で病院側の判断により個室を利用する場合は、原則として差額ベッド代はかかりません。
医療費(正確には自己負担となる入院費)を抑えたい場合は、入院時に個室を希望しないことを明確に伝えることが大切です。
入院日額の決め方と考え方(公的制度との関係)
医療保険の金額を決めるときに忘れてはいけないのが、
公的医療制度がすでにある、という前提です。
まずは、
- 高額療養費制度
- 傷病手当金(会社員の場合)
などを確認する。
保険はすべてをまかなうものではなく、公的制度や貯蓄で足りない部分を補うためのものです。
この順番で考えると、必要以上に大きな保障を持たずに済みます。
傷病手当金とは?
傷病手当金は、会社員などが加入している健康保険から支給される制度です。
・業務外の病気やけが(業務上のものは労災保険の対象)
・働けない状態が続いている
・給与が支払われていない、または減額されている
といった条件を満たした場合に支給されます。
支給額は、標準報酬日額のおよそ3分の2相当です。
この制度は会社員などが加入する健康保険にあるもので、国民健康保険にはありません。
そのため、自営業者などで休業すると収入が止まる場合は、働けない期間の生活費についても別途備えを考える必要があります。
まとめ
入院日額は、
- なんとなく10,000円くらいあれば安心かな
- みんながそれくらいだから
- 保険の営業マンが「平均これくらいです」って言っていたから
ではなく、
- 公的制度でどこまでカバーされるか
- 自分の貯蓄はいくらあるか
- 収入が止まったときの影響はどれくらいか
を整理した上で決めるのが現実的です。
なお、今回の記事では、主契約(入院・手術)の部分を解説しました。
特約(がん・三大疾病・先進医療など)については、次の記事で整理していきます。

コメント